JR東日本・仙石線
JR東日本・仙石線の概要
仙石線(せんせきせん)は、宮城県仙台市青葉区のあおば通駅から仙台駅を経由して同県石巻市の石巻駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。このほか、陸前山下駅 - 石巻港駅間に日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物支線を持つ。
名称は、起点(仙台市)と終点(石巻市)から1文字ずつ取って付けられた。仙台市東郊の通勤・通学路線であると同時に、松島などの観光地へのアクセス路線としての一面や、仙台市と多賀城市・塩竃市・石巻市間の都市間輸送の性格も兼ね備えている路線である。
ラインカラーはスカイブルー()。支線を除きIC乗車カード「Suica」の仙台エリアに含まれている。

概要

仙石線は私鉄である宮城電気鉄道の路線が1944年(昭和19年)の戦時買収により国有化された路線であり、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化によりJR東日本の路線となった。JR東日本が保有する営業路線の中では東北地方で唯一、JRグループでは日本最北の直流電化路線である。電動車による他路線への直通運転が不可能である点を活かし、2WAYシートやATACSなど開発システムのテスト路線となることが多い。
駅間距離が短く、また、開業当初より仙台口においては1時間に2 - 3本の運行が行われていた。このため、国有化後、地元では国電と呼ばれていた。あるいはほかの国鉄路線と仙石線の駅がそれぞれ立地する松島や塩竈、石巻などでは仙石線の駅を「電車駅」、ほかの国鉄路線の駅を「汽車駅」と呼ぶなどして区別していた。
2000年(平成12年)に完成した仙台トンネルに新線が開通し、あおば通駅 - 陸前原ノ町駅間の約3.5 kmが地下線となった。東塩釜駅付近 - 高城町駅間は東北本線と併走している。2015年には松島海岸駅 - 高城町駅間に連絡線が作られ、仙石東北ラインとして直通運転を開始している(保守用の渡り線がこれ以前から逆方向ではあるものの存在していたが、この連絡線の設置時に撤去されている)。松島駅 - 高城町駅間で乗り換える場合、通しの乗車券が発券できる。
仙台駅では松島への観光には仙石線(普通列車)の利用を推奨する案内が行われている。松島観光の拠点駅である仙石線松島海岸駅には並行する仙石東北ライン・東北本線の列車は駅がなく停車しないためである。仙石東北ラインで松島海岸駅に向かう場合、高城町駅での乗り換えが必要となるが、同駅での待ち時間には20分を要することもある。なお、東北本線には「松島駅」があるが、同駅は松島の観光エリアから1 km程度離れている。仙台駅 - 松島駅間と仙台駅 - 松島海岸駅間の運賃はともに420円である。一方、塩釜方面への案内は特にされてはいないが、仙台からの場合、観光目的地であるマリンゲート塩釜や鹽竈神社は本塩釜駅が最寄りの下車駅となる。ただし、宮城県塩釜高等学校など東北本線塩釜駅の利用が至便な施設も存在する。
運行されている列車種別としては普通列車と快速列車があり、かつてはどちらも全区間で運行されていたが、東日本大震災で被災後、2015年の全線再開および仙石東北ライン運行開始以降は種別毎に完全に系統が分離された。快速列車は東北本線仙台駅方面から松島町内に新設された連絡線を介して高城町駅以東の石巻方面に乗り入れる仙石東北ラインの列車のみとなり、あおば通駅 - 高城町駅間を走行する快速列車は廃止された。これにより、仙台駅 - 石巻駅間の所要時間は約10分短縮された。
あおば通駅 - 中野栄駅間は仙台市地下鉄との代替輸送(振替輸送)対象路線に指定されており、当該区間が運転見合わせとなった場合は、仙台市地下鉄東西線(青葉通一番町駅 − 荒井駅)への振替乗車が認められる場合がある。

仙石線 路線データ
管轄・路線距離
(営業キロ)
  • 全長50.8 km(第一種区間。支線含む)
  • 東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
    • あおば通駅 - 石巻駅間:49.0 km
  • 日本貨物鉄道(第一種鉄道事業者・第二種鉄道事業者)
    • 陸前山下駅 - 石巻港駅間:1.8 km(第一種区間)
    • 陸前山下駅 - 石巻駅間 :1.4 km(第二種区間)
軌間  1,067mm
駅数
  • 駅数:33
    • 旅客駅:32(起終点駅含む)
      • 仙石線所属の旅客駅に限定する場合、東北本線所属の仙台駅と石巻線所属の石巻駅が除外され30駅となる。
    • 貨物駅:1(石巻港駅)
複線区間  あおば通駅 - 東塩釜駅間(17.2 km)
電化区間  あおば通駅 - 石巻駅間(直流1,500 V)
 陸前山下駅 - 石巻港駅間の支線を除き全線電化。
閉塞方式
  • 移動閉塞式:あおば通駅 - 東塩釜駅間
  • 自動閉塞式(特殊):東塩釜駅 - 石巻駅間
  • 自動閉塞式:陸前山下駅 - 石巻港駅間
保安装置
  • ATACS:あおば通駅 - 東塩釜駅間
  • ATS-SN:東塩釜駅 - 石巻駅間
  • ATS-Ps:石巻駅構内
最高速度  95 km/h
運転指令所 
  • 宮城野CTC(宮城野総合事務所内)
    • 運転取扱駅(駅が信号を制御):宮城野信号場・石巻駅
    • 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):東塩釜駅
車両基地   仙台車両センター宮城野派出所
大都市近郊区間 全線(仙台近郊区間)
IC乗車カード対応区間 全線(Suicaの仙台エリア)
あおば通駅 仙台駅
あおば通駅 仙台駅
榴ケ岡駅 宮城野原駅
榴ケ岡駅 宮城野原駅
陸前原ノ町駅 苦竹駅
陸前原ノ町駅 苦竹駅
小鶴新田駅 福田町駅
小鶴新田駅 福田町駅
陸前高砂駅 中野栄駅
陸前高砂駅 中野栄駅
多賀城駅 下馬駅
多賀城駅 下馬駅
西塩釜駅 本塩釜駅
西塩釜駅 本塩釜駅
東塩釜駅 陸前浜田駅
東塩釜駅 陸前浜田駅
松島海岸駅 高城町駅
松島海岸駅 高城町駅
手樽駅 陸前富山駅
手樽駅 陸前富山駅
陸前大塚駅 東名駅
陸前大塚駅 東名駅
野蒜駅 陸前小野駅
野蒜駅 陸前小野駅
鹿妻駅 矢本駅
鹿妻駅 矢本駅
東矢本駅 陸前赤井駅
東矢本駅 陸前赤井駅
石巻あゆみ野駅 蛇田駅
石巻あゆみ野駅 蛇田駅
陸前山下駅 石巻駅
陸前山下駅 石巻駅

歴史

仙石線は私鉄の宮城電気鉄道を出自とする鉄道路線である。宮城電気鉄道は、高田鉱山(細倉鉱山)における亜鉛の減産から生じることになった余剰電力を活用するために、鉱山の経営に関わっていた高田商会によって計画された。この計画が立案されたのは1921年(大正10年)であり、翌1922年(大正11年)に宮城電気鉄道株式会社が発足した。宮城電気鉄道は当初、宮城県庁から鉄道省の仙台駅を経て松島へ至る鉄道路線として計画されたが、後に計画が変わり、松島からさらに先の石巻までの鉄道路線として建設されることになった。また、宮城県庁から仙台駅までの区間は、仙台市電が計画されたことに影響を受けて断念された。宮城電気鉄道の後ろ盾だった高田商会は1923年(大正12年)の関東大震災によって経営が傾き後に破産する。宮城電気鉄道は日本生命保険から資金を受け、鉄道の建設を続けることができた。
宮城電気鉄道はまず1925年(大正14年)6月5日に仙台駅から西塩釜駅の間で開業した。この後、1926年(昭和元年)に本塩釜駅まで、1927年(昭和2年)に松島公園駅(現在の松島海岸駅)まで、1928年(昭和3年)4月に陸前小野駅まで路線が延び、同年11月22日に石巻駅までの全線が開通した。この頃、仙台駅と石巻駅の間の所要時間は1時間40分だった。西塩釜駅まで開通した1925年(大正14年)の当時のダイヤでは1日に上下それぞれ29本の列車が運転されていたのが、1939年(昭和14年)になると仙台駅から塩竈まで15分間隔、松島まで30分間隔、石巻まで1時間間隔で列車が運転されるようになった。また、宮城電気鉄道では旅客列車だけでなく貨物列車も運行していた。1939年(昭和14年)に陸前山下駅から釜駅(現在の石巻港駅)までの貨物線が開通し、1942年(昭和17年)(1943年12月5日とも)には東七番丁駅(後の仙台東口駅)から陸前原ノ町駅までの区間が複線となった。
1944年(昭和19年)5月1日、宮城電気鉄道は戦時買収により国有化され、仙石線となった。この当時の宮城電気鉄道沿線には、東京第一陸軍造兵廠仙台製造所、多賀城海軍工廠、矢本飛行場があり、これらに関連した物資輸送や工員の通勤のための買収だったと言われる。買収金額は約2400万円だった。

日本で最初の地下路線

宮城電気鉄道の仙台駅 - 東七番丁駅間は東北本線との交差のために地下区間として建設された。これは日本で最初に開業した営業用の地下路線である。この区間の開業は、日本初の地下鉄である東京地下鉄道(現在の東京地下鉄銀座線)の開業に先立つこと2年半であり、また郊外電車の地下乗り入れとしても神戸有馬電気鉄道(現在の神戸電鉄有馬線)の湊川地下線より3年早かった。
この地下区間は単線でありかつ距離が短かったこと、1952年(昭和27年)に廃止されていることなどから、ほとんど紹介されない存在となっている。2000年(平成12年)に完成した仙石線の地下区間(仙台トンネル)とは別物である。

国有化以後

1952年(昭和27年)、仙台駅の仙石線プラットホームが大きく変わった。宮城電気鉄道時代に建設され国有化後もそのまま使われていた仙石線地下ホームは約200メートル東側の地上に移され、同時に東口改札口が併設された。この移設には、この年に宮城県、山形県、福島県で行われた第7回国民体育大会秋季大会が関係している。それまでの仙台駅は線路の西側に駅舎を持ち、反対の東側には駅舎がなかった。第7回国民体育大会では、仙台駅の東側に位置する宮城野原公園総合運動場が主要会場の一つとされ、この運動場への交通の便を図るためにホームの移設と東口の設置が行われたのである。これによって旧来の仙石線地下ホームは、移設後の仙石線ホームと東北本線各ホームおよび仙台駅西口とを結ぶ連絡通路に変わった。この地下通路は2000年(平成12年)の仙石線ホーム再地下化まで利用されることになる。また、仙台駅仙石線ホームの移設に伴って仙台東口駅が廃止された。
1956年(昭和31年)10月、仙石線管理所が発足した。これは非採算線区の経営改善を目的に国鉄の中で試行的に行われたもので、前例のない制度だった。管理所の導入によって、仙石線は一個の独立した経営単位として扱われた。管理所の所長には大きな権限が与えられ、経営改善に取り組むことになった。この管理所制度のもとで、仙石線では踏切の自動化などによる人員削減、貨物列車の集約および縮小が行われた。また、この当時、仙台駅から東塩釜駅の間では30分に1本の頻度で列車が運行していた。仙石線管理所はこれを15分間隔に改め、「時計なしで乗れる」を謳った。また、仙石線沿線で行われる海水浴や釣り大会に併せて臨時列車を増発し、また写真コンクールを企画してやはり臨時列車を運行した。管理所が発足した1956年度(昭和31年度)の仙石線の営業係数は165だったが、1957年度(昭和32年度)には131に改善した。経営上は赤字であることに変わりなかったものの、これは国鉄内で評価されて、管理所制度は日本全国の支線区に広まることになった。1960年(昭和35年)には仙石線の営業係数は111となり、総裁賞を受賞した。仙石線管理所は1971年(昭和46年)に解散し、仙石線は仙台鉄道管理局による直轄運営に戻った。
この間、1968年(昭和43年)3月に仙石線の陸前原ノ町駅から多賀城駅までの区間が複線となり、さらに1969年(昭和44年)9月に多賀城駅から西塩釜駅までの区間が複線化された。この年の10月に行われたダイヤ改正で仙台駅と石巻駅を58分で結ぶ特別快速が設定された。

昭和後期から平成まで

旧来の仙石線は塩竈市街地を地上または半高架で通過していた。線路が街の東西を分断し、交通渋滞の原因とも見なされるようになっていった。この問題を解決するために、塩竈地区における仙石線の高架化が計画され、あわせて複線化も行われることになった。これは宮城県の都市高速鉄道事業として行われた。都市高速鉄道は1968年(昭和43年)に施行された(新)都市計画法に規定されたものである。これにより、踏切を介して平面交差していた鉄道と道路を、渋滞や踏切事故等を減らす名目で立体交差させる都市計画がなされるようになり、既存の道路側を立体交差させるオーバーパスやアンダーパス、既存の鉄道を立体交差させる高架化や地下化、さらに高架鉄道や地下鉄等の新設が進められた。宮城県はこの法律に基いて1970年(昭和45年)に従前の5つの都市計画区域を統合して「仙塩広域都市計画区域」を指定し、1971年度(昭和46年度)に塩竈市の本塩釜駅周辺への都市高速鉄道事業の適用を見込んで高架化の調査を行った。そして、西塩釜駅から陸前浜田駅までの区間5,410メートルを「仙塩広域都市計画 都市高速鉄道事業 日本国有鉄道仙石線」として都市計画決定し、西塩釜駅から東塩釜駅を過ぎた辺りまでの区間2,770メートルを鉄道側の高架化とする嵩上式、そこから陸前浜田までの区間を道路側の立体交差とする地表式として整備することにした。新設の高架線は国鉄の貨物線用地を活用して建設された。こうして西塩釜駅 - 東塩釜駅の高架化および複線化が1981年(昭和56年)11月に完成した。
一方、仙台駅 - 苦竹駅間についても、仙台駅付近が曲線が多い蛇行線形になっていたほか、踏切による交通渋滞問題が発生していた。このため、鉄道側を地下化する形で連続立体交差事業が行われることになり、1985年(昭和60年)10月に起工式が行われた。仙台トンネルと名付けられた地下区間は2000年(平成12年)に完成し、これによって14の踏切が解消された。同時に、線路の直線化によって距離が短縮されるとともに、仙台駅以西に延伸してあおば通駅が開業した。これは事業計画当時検討されていた仙台市地下鉄東西線との直通運転を視野に入れたものだった。この直通運転案では、国鉄仙台駅と仙台市地下鉄仙台駅が離れていたために仙台駅を二分して建設することになり、連続立体交差事業の補助金対象区間を長く取るために地下鉄寄りの「仙台(西)駅」を仙石線と地下鉄との境界駅として、この駅までを国鉄線として建設することになったのである。その後、地下鉄直通運転案は断念されたが「仙台(西)駅」までは建設され、これが「あおば通駅」として開業した。また、この連続立体交差事業に関連して、1991年(平成3年)に宮城野電車区が設置された。
これらの路線改良事業に前後して、仙石線では1981年(昭和56年)に中野栄駅が、1987年(昭和62年)に東矢本駅が、2004年(平成16年)に小鶴新田駅が開業した。ダイヤについては、1983年(昭和58年)10月のダイヤ改正で平日ダイヤと休日ダイヤが設定され、休日に仙台駅と石巻駅をノンストップで結ぶ特別快速が設定された。これは、平日の通勤通学と休日の買い物を意識したものだった。また、1987年(昭和62年)に国鉄分割民営化が行われ、仙石線はJR東日本の路線となっている。
2004年(平成16年)より仙石線の多賀城駅周辺1.8キロメートルの高架化事業も進められた。2009年(平成21年)11月29日に上り線が高架に切り替えられ、2012年(平成24年)4月8日には、下り線も高架に切り替えられた。その後、駅舎を中心とした施設の構築工事も行われ、2013年(平成25年)11月17日に新駅舎が供用を開始した。

東日本大震災による影響

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災では、当路線の約68%が海岸部に近接していたため、地震と津波双方による被害を受け、軌道変状312か所、線路流出3 km強、ホーム変形19か所、橋梁・高架橋の損傷12か所、駅舎損傷14か所、電化設備については津波被害の大きさによりデータが取れないほどであった。
地震発生により、野蒜駅 - 東名駅間で上りあおば通行普通電車(1426S電車、M9編成)が停止、乗客約50人が指定避難場所だった東松島市立野蒜小学校(北緯38度22分33秒 東経141度9分11.6秒)に避難した後、車両は津波に押し流されて脱線、4両編成の前2両は山側に横滑りし、後ろ2両は山側に90度向きを変えて大破した。また、石巻駅では到着後のM7編成が冠水して被災した。野蒜駅 - 陸前小野駅間では石巻行き快速電車(3353S電車、M16編成)編成が松島丘陵東端の切り通し区間頂上部付近で停止(北緯38度22分43.7秒 東経141度9分55.7秒)、乗客約100人は指定避難場所の野蒜小への移動を開始したが、元消防団員の乗客の1人が津波を予見して運転士に進言し、乗客全員が車両に待機していたところ、襲ってきた津波は同車両を含む同地には到らず全員が無事だった。中野栄駅 - 多賀城駅間ではM3編成が停止し、津波の被害を免れた。
地震直後より全線で不通となった仙石線は、震災当日から2週間以上を経た同年3月28日、仙台市内のあおば通駅 - 小鶴新田駅間でのみ運転が再開されたものの、翌月7日に発生した余震のために、再び全線で不通となった。
再度不通となったあおば通駅 - 小鶴新田駅間の営業は1週間余り後の同4月15日に再開され、次いで4月19日には小鶴新田駅から東塩釜駅までの営業も再開された。さらに、同5月28日には東塩釜駅から高城町駅までの営業も再開、これによって、仙台を起点とする区間においてはあおば通駅から高城町駅までが繋がることとなった。
一方、石巻寄りの区間については、震災発生から4か月余りを経た同年7月16日になって矢本駅 - 石巻駅間の営業が再開されたが、電化設備が復旧していないことなどから、電車ではなく気動車による運行となった。さらに陸前小野駅 - 矢本駅間が2012年3月17日に再開された。
復旧が手付かずの状態となっていた高城町駅(松島町) - 陸前小野駅(東松島市)間であったが、JR東日本仙台支社は2012年(平成24年)1月、当該区間の一部内陸移設などによって、2015年(平成27年)度までに全線復旧させる方針を発表した。この区間の復旧工事の費用は100億円超で2013年(平成25年)度中に着工、線路が流出するなど被害の大きかった東松島市内の陸前小野駅から陸前大塚駅までの約6.4キロメートルについては震災前よりも500メートル程度内陸に移設する。また、この区間にあって駅舎が被害を受けた野蒜駅、東名駅の2駅も移設される。2014年7月30日には、復旧工事の目途が立ったことから、2015年6月までに全線再開することが発表され、2015年1月29日には全線再開日が同年5月30日と発表された。
なお、陸前小野駅 - 陸前大塚駅の移設ルートは当初、下記の三つの案が作られたが、安全性や街づくり、早期復旧の観点から現位置かさ上げおよび高台移設案を採用することになった。

陸前大塚駅 - 陸前小野駅間の復旧ルート案
ルート案 概要 施工
延長
主要構造物 安全性・町づくり・早期復旧評価 課題
大規模移設案 陸前富山駅 - 鳴瀬川
橋梁:大規模移設
5.7km 盛土・切土:3.5km
高架橋:0.8km
トンネル:1.4km
* 浸水域を完全に避けられる
* 野蒜駅のみ新しい街に近接
* 施工延長・施工量が多く、工期が長期化する
* 用地取得範囲が大きい
*工期の短縮
現位置かさ上げ+高台移設案 陸前富山駅 - 陸前大塚駅:
既設線かさ上げ
陸前大塚駅 - 鳴瀬川橋梁:
高台へ移設
5.8km 盛土・切土:2.6km
高架橋:1.0km
既設線かさ上げ:2.2km
* 特に津波被害の大きい東名・野蒜駅周辺のみ高台となる
* 東名・野蒜駅共に新しい街の中に形成
* 街づくりに伴う造成工事の影響を受ける
* 街づくりとの調整
* 各所の役割分担
現位置かさ上げ+高架化案 陸前富山駅 - 陸前大塚駅:
既設線かさ上げ
陸前大塚駅 - 鳴瀬川橋梁:既設線上で高架化
6.7km 盛土・切土:0.7km
高架橋:2.6km
既設線かさ上げ:3.4km
* 避難路等の緊急時対策が必要
* 新市街地と大きく離れる
* 造成工事の影響を受けないが高架橋の延長が多く、施工量が多い
* 街づくりとの整合性が取れない

また、東北本線の塩釜駅 - 松島駅間と線路が並行している仙石線の松島海岸駅 - 高城町駅間に、両線を連絡する接続線(仙石線・東北本線接続線)を敷設し、仙石線が全線復旧する予定の2015年(平成27年)5月30日から「仙石東北ライン」として東北本線の塩釜以南と仙石線の高城町以北を相互直通運転する計画が発表され、予定通り運行が開始された。

年表

宮城電気鉄道

  • 1925年(大正14年)6月5日:宮城電気鉄道が仙台駅 - 西塩釜駅間を開業。宮電仙台・東七番丁・榴ケ岡・陸前原ノ町・福田町・陸前高砂・多賀城・西塩釜の各駅新設。
  • 1926年(大正15年)
    • 1月1日:宮城野原駅を新設。
    • 4月14日:西塩釜駅 - 本塩釜駅間を延伸開業、本塩釜駅を新設。
  • 1927年(昭和2年)4月18日:本塩釜駅 - 松島公園駅(現在の松島海岸駅)間を延伸開業。東塩釜・浜田・松島公園の各駅を新設。
  • 1928年(昭和3年)
    • 4月10日:松島公園駅 - 陸前小野駅間を延伸開業、小石浜遊園・新富山・高城町・手樽・陸前富山・大塚・野蒜・陸前小野の各駅を新設。
    • 5月15日:新田駅を新設。
    • 11月22日:陸前小野駅 - 石巻駅間を延伸開業し仙台駅 - 石巻駅間全通。矢本・陸前赤井・蛇田・石巻の各駅を新設。
  • 1929年(昭和4年)6月1日:鹿妻駅を新設。
  • 1931年(昭和6年)
    • 10月23日:野蒜駅を東北須磨駅に改称。
    • 12月1日:大塚停留場を仙台方面に1 km移設。東名駅を新設。
  • 1932年(昭和7年)
    • 1月8日:石巻駅を宮電石巻駅に改称。
    • 8月1日:下馬信号所を駅に変更して下馬駅を新設。
  • 1939年(昭和14年)
    • 2月1日:宮電山下駅を新設。
    • 11月7日:宮電山下駅 - 釜駅(現在の石巻港駅)間の貨物線を開業。
  • 1943年(昭和18年)2月8日:苦竹駅開業届出。

国有化以後

  • 1944年(昭和19年)5月1日:宮城電気鉄道が国有化され仙石線と線路名称制定。宮電仙台駅を仙台駅に、東七番丁駅を仙台東口駅に、西塩釜駅を西塩竈駅に、本塩釜駅を本塩竈駅に、東塩釜駅を東塩竈駅に、浜田駅を陸前浜田駅に、松島公園駅を松島海岸駅に、富山駅を陸前富山駅に、大塚駅を陸前大塚駅に、東北須磨駅を野蒜駅に、宮電山下駅を陸前山下駅に、宮電石巻駅を石巻駅にそれぞれ改称。新田・小石浜遊園・新富山の各駅を廃止。
  • 1945年(昭和20年)6月10日:陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を休止。
  • 1946年(昭和21年)6月10日:陸前富山・陸前大塚・鹿妻の各駅を再開。
  • 1952年(昭和27年)
    • 6月1日:地下区間の仙台駅 - 仙台東口駅間を休止。
    • 9月26日:仙台駅 - 仙台東口駅間を廃止。仙台東口駅を仙台駅に改称。
  • 1953年(昭和28年)7月20日:釜駅 - 石巻港駅間の貨物線を開業。
  • 1956年(昭和31年)10月1日:仙石線管理所発足。
  • 1957年(昭和32年)
    • 快速列車の設定開始。
    • 6月6日:陸前山下駅 - 釜駅間の電化廃止。
  • 1959年(昭和34年)9月:石巻駅 - 仙台駅間で快速電車運行開始。
  • 1963年(昭和38年)5月25日:西塩竈駅を西塩釜駅に、本塩竈駅を本塩釜駅に、東塩竈駅を東塩釜駅にそれぞれ改称。
  • 1965年(昭和40年)9月30日:東塩釜駅貨物取扱廃止。
  • 1966年(昭和41年)1月20日:陸前原ノ町駅 - 福田町駅間の「苦竹高架」完成、高架化。
  • 1968年(昭和43年)
    • 2月23日:福田町駅 - 多賀城駅間を複線化。
    • 3月19日 陸前原ノ町 - 福田町間を複線化。
    • 10月11日:釜駅 - 石巻埠頭駅間の貨物線を開業。
  • 1969年(昭和44年)
    • 9月26日:多賀城駅 - 西塩釜駅間を複線化。
    • 10月1日:石巻駅 - 仙台駅間50分台の特別快速電車運行開始。
  • 1971年(昭和46年)
    • 3月31日:矢本駅貨物取扱廃止。
    • 4月1日:仙石線管理所廃止、陸前原ノ町電車区および陸前原ノ町車掌区発足。釜駅 - 石巻港駅間の貨物線廃止。
    • 9月30日:多賀城駅貨物取扱廃止、これにより仙台駅 - 多賀城駅間貨物営業廃止。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:釜駅を石巻港駅に改称。
    • 8月18日:塩竈市越ノ浦の仙石線の無人踏切で、仙台発石巻行き下り電車にダンプカーが衝突、1両目が脱線して半海水の沼に突っ込む(死者2名、重軽傷46名)。
  • 1975年(昭和50年)
    • 2月1日:「新型電車導入」記念乗車券発行。
    • 2月15日:72系アコモデーション改良車導入。
    • 3月:出札合理化により榴ケ岡・宮城野原・苦竹・福田町・陸前高砂・下馬・西塩釜・東塩釜・高城町の各駅で出札窓口閉鎖。仙台・石巻両駅に乗継出札口を設置。
  • 1979年(昭和54年)10月1日:103系導入。
  • 1981年(昭和56年)
    • 4月1日:中野栄駅を新設。
    • 11月1日:西塩釜駅 - 東塩釜駅間を高架・複線化。本塩釜・東塩釜の両駅を移転。
  • 1983年(昭和58年)
    • 6月15日:陸前原ノ町車掌区を廃止し仙台車掌区に統合。
    • 10月2日:平日・休日ダイヤ実施。線内最高速度が85 km/h→95 km/hに引き上げ。仙台駅 - 石巻駅間ノンストップの特別快速新設。
  • 1987年(昭和62年)3月31日:東矢本駅を新設。

民営化以後

  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道(第一種)・日本貨物鉄道(第二種)が承継。
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月1日:多賀城駅 - 陸前山下駅間にCTCを導入。あわせて東塩釜駅構内にCTCセンターを設置したほか、陸前大塚駅の交換設備使用開始。
    • 3月13日:ダイヤ改正に際して、快速列車に「うみかぜ」の愛称を命名。
  • 1990年(平成2年)7月21日:石巻駅駅舎を石巻線の駅舎に統合。
  • 1991年(平成3年)
    • 3月9日:宮城野信号場を新設。
    • 3月16日:陸前原ノ町電車区閉所。宮城野電車区へ移転。
  • 1999年(平成11年)11月1日:石巻港駅 - 石巻埠頭駅間の貨物線を廃止。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月11日:仙台駅 - 陸前原ノ町駅間を地下化、あおば通駅 - 仙台駅間を延伸開業。
    • 3月20日:CTCセンターを宮城野総合事務所内に移設。あおば通駅 - 中野栄駅間にもCTCを導入。
    • 6月25日:野蒜駅 - 陸前小野駅間の鳴瀬川橋梁架け替え工事完成。
  • 2002年(平成14年)11月5日:205系3100番台導入。
  • 2003年(平成15年)10月1日:宮城野運輸区発足。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:小鶴新田駅を新設。
    • 7月:103系運行終了。RT-235編成は予備車として郡山駅構内に留置(2007年3月に復帰)。
    • 10月16日:快速列車「うみかぜ」の愛称廃止。平日・土曜休日の時刻表を一本化。
  • 2009年(平成21年)
    • 10月21日:103系RT-235編成が運行を終了。
    • 11月29日:多賀城駅上り線を高架化。

東日本大震災以後

  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日:東北地方太平洋沖地震およびそれによる津波の被害で全線不通となる。
    • 3月28日:あおば通駅 - 小鶴新田駅間で運転再開。
    • 4月5日:東北本線松島駅に接続する形で、松島駅 - 石巻駅間で仙石線経由の代行バス運転開始。
    • 4月7日:東北地方太平洋沖地震の余震により再び全線で不通となる。
    • 4月15日:余震により不通となっていた、あおば通駅 - 小鶴新田駅間の運転を再開。
    • 4月19日:小鶴新田駅 - 東塩釜駅間の運転を再開。代行バス区間を東塩釜駅 - 石巻駅間に変更。
    • 5月28日:東塩釜駅 - 高城町駅間の運転を再開。代行バス区間を松島海岸駅 - 石巻駅間に変更。
    • 7月16日:矢本駅 - 石巻駅間の運転を再開。同区間は気動車が使用される。またスタフ閉塞式が施行される。代行バス区間を松島海岸駅 - 矢本駅間に変更。
    • 10月10日:あおば通駅 - 東塩釜駅間の保安装置をATACS化。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日:陸前小野駅 - 矢本駅間の運転を再開。
    • 4月8日:多賀城駅下り線を高架化し、これにより同駅周辺の上下線とも高架化を完了(多賀城駅の3番線は未供用)。
    • 9月29日:貨物支線(石巻港駅 - 陸前山下駅)の試運転開始に伴い、陸前山下駅 - 石巻駅間の自動閉塞式(特殊)の使用を再開。スタフ閉塞式が陸前小野駅 - 陸前山下駅間に短縮される。
    • 10月9日:貨物支線(石巻港駅 - 陸前山下駅)の運転を再開。
    • 11月17日:多賀城駅付近連続立体交差化完了。多賀城駅駅舎と3番線使用開始。
    • 11月下旬:陸前小野駅 - 陸前山下駅間の自動閉塞式(特殊)の使用を再開(ただし陸前赤井駅の信号設備は使用停止)。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月15日:B快速を各駅停車に格下げ。多賀城駅中線による折り返し開始。
    • 4月1日:全線が新設の仙台近郊区間となる。
    • 12月14日:あおば通駅 - 東塩釜駅間でATACSによる踏切制御機能使用開始。また、不通区間となっていた高城町駅 - 陸前小野駅間のレール締結式が挙行され、全線がレールで結ばれる。
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:不通区間の運転再開に先立ち、新線へ切り替えられる陸前大塚駅 - 陸前小野駅間を改キロ (-1.2 km)。
    • 4月13日:不通区間の高城町駅 - 陸前小野駅間で移設区間を含めての試運転を実施。陸前小野駅・陸前赤井駅の信号設備使用再開。
    • 5月30日:高城町駅 - 陸前小野駅間の新線開業に伴い、全線運転再開。同時に仙石東北ライン開業。またあおば通駅 - 多賀城駅 - 東塩釜駅 - 高城町駅経由の快速運転が廃止。
    • 12月1日: 205系3100番台の2WAYシート車をすべてロングシートとして運行開始。
  • 2016年(平成28年)3月26日:石巻あゆみ野駅を新設。
  • 2017年(平成29年)3月4日:石巻あゆみ野駅へ朝の仙石東北ライン快速上下各1本が停車開始。
  • 2025年(令和7年)12月1日:E131系800番台が営業運転を開始。
  • 2026年(令和8年)3月14日:ワンマン運転を開始。前日をもって205系の定期運用を終了。

運行形態

現行

2015年5月30日の仙石東北ライン開業に伴うダイヤ改正以降、運行形態は仙石線内のみを運行する普通列車と仙石東北ライン特別快速・快速列車に大別される。このダイヤ改正により、あおば通駅 - 高城町駅間は普通列車(各駅停車)のみの運行となった。

仙石東北ライン・特別快速・快速

仙石東北ラインは仙台駅 - 石巻駅間を東北本線と仙石線を経由して結ぶ列車の運転系統である。東北本線の塩釜駅 - 松島駅間に設けられた接続線を介して仙石線に乗り入れ、高城町駅 - 石巻駅間を運行する。一部列車はさらに石巻駅以東の石巻線に乗り入れ、女川駅まで運行している(後述)。おおむね1時間に1本運転しているが、仙台発11時台と石巻発7・12時台の運転はない。仙台発朝9時台と石巻発20時台の上下各1本が停車駅の少ない「特別快速」として運転されている以外は「快速」として運転されている。
快速には、種別表示色が赤()で表示されるもの(以下「赤快速」という。)と、緑()で表示されるもの(以下「緑快速」という。)がある。東北本線仙台駅 - 塩釜駅間において、赤快速は途中駅無停車、緑快速は各駅に停車する。仙石線内(高城町駅 - 石巻駅間)の停車駅はいずれも同じである。
先行列車の追い抜きはないが、原則として高城町駅であおば通駅発着の仙石線普通列車と相互接続を行っている。
1列車4両編成で運行している。かつては仙台12時台発と石巻13時台発の緑快速のみ2両編成で運行していたが、2019年3月16日のダイヤ改正からこの列車を含む全列車が4両編成運行となった。
2016年8月6日からは、「仙石東北ライン」のうち石巻発朝6時台の上り始発列車と仙台発夜20時台の下り最終列車が石巻線の石巻駅 - 女川駅間に乗り入れ、仙台駅 - 女川駅間の直通運転を開始し、2017年3月4日からは石巻あゆみ野駅に一部列車が停車するようになった。
仙石東北ラインの開業に伴い、あおば通駅 - 高城町駅間を運行(多賀城駅・本塩釜駅を経由)する快速は廃止されている。

普通列車

あおば通駅-石巻駅間を仙石線内各駅に停車する。
すべての列車があおば通駅発着の4両編成となっている。ワンマン運転を行う。
朝夕時間帯は約6 - 8分間隔で運転されている。
日中は1時間に4 - 6本運転されており、あおば通駅 - 石巻駅間の直通列車と多賀城駅・東塩釜駅・松島海岸駅・高城町駅を発着駅とする区間運転列車がそれぞれ1本程度運転されている。このうち、高城町駅で折り返す列車の多くは、仙石東北ラインと10分前後で接続して石巻方面の列車と乗り継げるようになっている。下りは15分等間隔で運転されているが、上りは少しずれが生じている。
上り列車の行先表示には「仙台・あおば通」と表示されている。これは仙台方面あおば通行きの列車であることを強調するために便宜上用いているもので、途中駅で編成の一部が切り離されるというわけではない(榴ヶ岡駅発車後、行先表示が「あおば通」に変化する)。 同様に、下り列車のうち、高城町行きには「松島海岸・高城町」、陸前小野行きには「松島海岸・陸前小野」、矢本行きには「松島海岸・矢本」、石巻行きには「松島海岸・石巻」と、松島観光の下車駅である松島海岸駅を表示に含めている(陸前浜田駅発車後は、行先表示が「高城町」「陸前小野」「矢本」「石巻」に変化する)。
JRの列車番号は原則として電車には「M」が付くが、仙石線の場合はいわゆる電車ダイヤのため、電車で運行される普通列車には「S」が付与されている。また、上2桁(もしくは上1桁)は24時間制の始発駅発車時刻を、下2桁は1桁目で発順、2桁目で発着駅を表す。 発着駅での付番パターンは次の通り。
  • 2…石巻発着
  • 3…高城町発着
  • 4、5…東塩釜発着
  • 6…多賀城発着
  • 7…小鶴新田(宮城野信号場)発着
  • 8…松島海岸発着
  • 9…矢本発着(臨時列車のみ)
例:あおば通発東塩釜行きの19時台の1本目は1941Sとなる。
あおば通発快速「松島基地航空祭号」1号の矢本行きは9691Sとなる。

臨時列車

プロ野球チーム東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地の楽天モバイルパーク宮城は宮城野原駅が最寄である。この球場でプロ野球の試合がある日はあおば通駅 - 小鶴新田駅間で臨時列車が運行される。このほかに、塩竈みなと祭に合わせてあおば通駅 - 本塩釜・東塩釜駅間で、松島ハーフマラソン大会に合わせてあおば通駅 - 高城町駅間で、松島基地航空祭に合わせて(定期列車の延長運転で)小鶴新田・東塩釜駅 - 矢本駅間で、石巻川開き祭りに合わせてあおば通・矢本駅 - 石巻駅間で臨時列車の増発が行われている。
2022年12月3・4日には、高城町駅 - 石巻駅の変電設備取替工事に伴い、この区間では気動車(仙石東北ライン用のHB-E210系)による折り返し運転が実施された。また一部列車が松島海岸駅に乗り入れ、HB-E210系が初めて高城町以南に乗り入れた。

東北本線との直通運転

仙石線は宮城電気鉄道という私鉄を出自とするため、仙台駅の着発線および駅舎が他路線とは独立しており、仙台駅構内にあった東北本線と仙石線を結ぶ引き込み線が1970年頃に撤去されてからは、直通運転は物理的に不可能となっていた。保線用車両の行き来を目的に松島駅 - 松島海岸駅間に東北本線との渡り線が設けられていたが、営業用車両は走行できなかった(後述の仙石線・東北本線接続線の建設により撤去)。
2015年度の全線復旧後、松島海岸駅 - 高城町駅間と東北本線塩釜駅 - 松島駅間を結ぶ連絡線(仙石線・東北本線接続線。塩釜駅 - 高城町駅間を結ぶものであり前述の保線用車両の渡り線とは分岐方向が異なる)が敷設され、仙石東北ラインという愛称でHB-E210系気動車を使用した東北本線との直通運転が開始された。

石巻線との直通運転

石巻駅構内では、石巻港への貨物列車の入線や他線との連絡のために、石巻線と仙石線の線路が繋がっている。石巻線は非電化路線であるため、気動車の場合は仙石線・石巻線の両線を直通することが可能であり、グラシア(後のこがね)による臨時列車(仙台駅 - 女川駅・気仙沼駅間)が運行されたことがあった。なお、1992年頃には、石巻線の石巻駅 - 女川駅間の直流電化による仙石線の女川駅乗り入れが調査されたことがあった。2016年8月6日からは仙石東北ラインの一部列車を女川駅まで延長運転している。

事業用列車

East i-Dによる軌道試験が行われる以前は、マヤ34形客車を用いた検測列車(マヤ検)の牽引は牽引車クモヤ145形を用いて行われていた。しかし地上線時代の仙台駅および地下化後のあおば通駅は機回し線がなく、またクモヤ145形が1両しか在籍していないため、上り列車で仙台駅(地上線時代)もしくはあおば通駅(地下化後)に入線すると車両の付け替えができないため、以前は105系を使用し、
  • 石巻側←クモハ105+クハ105+マヤ34+クモヤ145→仙台側
の編成で運転されていた。 105系廃車後は103系のクモハ編成からMc+Mのみをマヤの前に連結し、
  • 石巻側←クモハ103+モハ102+マヤ34+クモヤ145→仙台側
の編成で運行された。なお105系および103系による運転はあおば通駅 - 宮城野電車区間のみで運行され、宮城野電車区 - 石巻間はクモヤ145形のみの牽引で運転されていた。なお仙石線では103系は老朽化の進むMc編成から置き換えが始まったが、マヤ検の都合上、置き換え開始後しばらくはMc編成が残留していた。そのためMc編成の全廃はマヤ検終了後の2003年7月であった。

現在の使用車両

仙石線は前述の通り、東北地方のJR線では唯一の直流電化路線であり、東北地区を走る他線(交流電化路線)の車両は運用できないため、直流電車を使用し、2026年までは多くが首都圏で運行されていた通勤形電車を転配して運行していた。
  • E131系800番台(仙台車両センター宮城野派出所所属):あおば通駅 - 石巻駅間の普通列車で運用。
    • 2025年12月1日から営業運転を開始。205系3100番台を置き換えるため、4両編成14本の計56両を投入。2026年3月14日のダイヤ改正よりワンマン運転を開始。仙石線としては1946年のモハ810形以来、約80年ぶりの新造車投入となった。
  • HB-E210系(小牛田運輸区所属):高城町駅 - 石巻駅間に仙石東北ラインの快速・特別快速として乗り入れている。
    • 2015年(平成27年)の東北本線と仙石線の接続線開業に伴い、JR東日本はこの接続線を経由する「仙石東北ライン」で使用される直通運転用の車両としてディーゼルハイブリッド車両HB-E210系2両編成を8編成新造した。

E131系800番台 HB-E210系
E131系800番台 HB-E210系
205系3100番台 205系3100番台
205系3100番台 205系3100番台


仙石線 駅一覧
営業中の区間
本線(東日本旅客鉄道)

  • 区分…直:直営駅、委:業務委託駅、空欄:終日無人駅
    • 終日無人駅を除きJR東日本の乗車人員集計対象駅
  • 普通列車は、すべての旅客駅に停車
  • 全駅宮城県内に所在
あおば通駅 - 東塩釜駅間
  • この区間は複線。全列車普通列車。
  • 仙:特定都区市内制度における「仙台市内」エリアの駅
駅名
営業キロ 接続路線・備考



所在地
駅間 累計
あおば通駅 - 0.0 仙台市地下鉄:南北線・東西線(仙台駅)




青葉区
仙台駅 0.5 0.5 東日本旅客鉄道: 東北新幹線東北本線・仙石東北ライン・仙台空港アクセス線
・常磐線・仙山線仙台市地下鉄:南北線・東西線
宮城野区
榴ケ岡駅 0.8 1.3
宮城野原駅 1.1 2.4
陸前原ノ町駅 0.8 3.2
苦竹駅 0.8 4.0


小鶴新田駅 1.6 5.6
宮城野信号場 - - 6.8 仙台車両センター宮城野派出所への分岐
福田町駅 2.1 7.7
陸前高砂駅 0.9 8.6
中野栄駅 1.7 10.3
多賀城駅 2.3 12.6 多賀城市
下馬駅 1.8 14.4
西塩釜駅 0.8 15.2 塩竈市
本塩釜駅 0.8 16.0
東塩釜駅 1.2 17.2

※常磐線は路線名称上は東北本線岩沼駅が終点だが、運転系統上は全旅客列車は仙台駅に乗り入れる

東塩釜駅 - 石巻駅間
  • この区間は単線、地上区間。
  • 累計営業キロは、あおば通駅起算(仙台駅 - 高城町駅間の東北本線経由営業キロは23.7km)
  • 仙石東北ラインの列車(特別快速列車または快速列車)は、全列車仙台駅発着で、仙台駅 - 高城町駅間は東北本線経由(仙台駅は地上ホームから発着)で運行。
    • 停車駅…●:全列車が停車、○:快速列車が停車(特別快速は通過)、◇:一部の快速列車が停車、|:特別快速・快速列車は通過
  • 線路 … ∨・◇・∧:列車交換可能駅(∧:路線終点)、|:列車交換不可
駅名
営業キロ





接続路線
所在地
駅間 累計
仙石線
経由
東北
本線
経由
東塩釜駅 - 17.2 - - 塩竈市
陸前浜田駅 3.1 20.3 - -

利府町
松島海岸駅 2.9 23.2 - - 松島町
高城町駅 2.3 25.5 24.2 東日本旅客鉄道:仙石東北ライン(塩釜方面)
手樽駅 1.8 27.3 26.0
陸前富山駅 1.3 28.6 27.3
陸前大塚駅 2.2 30.8 29.5 東松島市
東名駅 1.4 32.2 30.9
野蒜駅 1.2 33.4 32.1
陸前小野駅 2.6 36.0 34.7
鹿妻駅 1.6 37.6 36.3
矢本駅 2.6 40.2 38.9
東矢本駅 1.4 41.6 40.3
陸前赤井駅 1.5 43.1 41.8
石巻あゆみ野駅 2.1 45.2 43.9 石巻市
蛇田駅 1.4 46.6 45.3
陸前山下駅 1.0 47.6 46.3 日本貨物鉄道:仙石線貨物支線
石巻駅 1.4 49.0 47.7 東日本旅客鉄道:石巻線・仙石東北ライン(女川方面)

貨物支線(日本貨物鉄道)
  • (貨):貨物駅
  • 両駅とも宮城県石巻市内に所在

駅名 営業
キロ
接続路線
陸前山下駅 - 東日本旅客鉄道:仙石線(本線)
(貨)石巻港駅 1.8
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